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	<title>名無し探偵の浮気調査ノート</title>
	
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	<description>疑念と真実の間をさまよう依頼者と探偵の軌跡を描くブログ&#xD;
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		<title>携帯メールから発覚した夫の浮気</title>
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		<comments>http://www.detectivefiction.net/14#comments</comments>
		<pubDate>Mon, 07 Mar 2011 23:33:28 +0000</pubDate>
		<dc:creator>nameless</dc:creator>
		
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		<description><![CDATA[ひどく酔って深夜に帰宅した夫は、着ていたものを居間に脱ぎ捨てたまま、一人でさっさと寝室に入っていってしまった。「まだ新婚１年目なのに」妻の佳美があきれながらも夫が脱ぎ捨てたものを片付けていると、いつも夫が肌身離さず持ち歩 &#8230; <a href="http://www.detectivefiction.net/14">続きを読む <span class="meta-nav">&#8594;</span></a>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>ひどく酔って深夜に帰宅した夫は、着ていたものを居間に脱ぎ捨てたまま、一人でさっさと寝室に入っていってしまった。「まだ新婚１年目なのに」妻の佳美があきれながらも夫が脱ぎ捨てたものを片付けていると、いつも夫が肌身離さず持ち歩いているはずの携帯電話が、テーブルの上で静かに、メールの着信を告げる光を放った。</p>
<p>画面には、送信者を示すフルネームの女性名と「大丈夫？」という件名が交互に流れていた。佳美は思わず夫の携帯を手に取った。佳美が夫の携帯電話に触れるのはこの時が初めてだった。ロックもされておらず、メインのボタンを長押しするだけで、着信したメールを開くことができた。</p>
<p>そのメールは、今夜いっしょに飲み過ぎた夫の身体を気遣っただけのもので、短く他愛もない内容だった。送信者が女性名でなかったら、佳美が他のメールまで盗み見ることはなかっただろう。結果として、夫の浮気が判明した。保存されていたメールはおびただしい数で、その期間は佳美たちが結婚する前にまで及んでいた。</p>
<p>携帯電話を持つ手が震え、目の前は暗くなった。怒りと悲しみが交互に押し寄せ、息苦しい。離婚の二文字が脳裏をかすめる。幸いまだ子供はない。しかし佳美は結婚を機に、10年務めた職場を辞してしまっている。</p>
<p>相手の女性は夫の同僚だった。もはや家庭だけの問題ではない。事が表沙汰になれば、家庭だけでなく社会的にも立ち行かなくなる。どうしていいかわからない。夫の考えもわからない。いますぐ夫を叩き起こして問い詰めたくなる気持ちを抑えて、佳美は眠りについた。今は憎しみしか感じない夫の横で。</p>
<hr />
<p>半月ほども一人で悩んだ末に、佳美はある探偵事務所に電話で相談した。電話相談でほとんど依頼を決意した佳美は、日を改めて探偵事務所に赴き、夫の勤務先目性と所在地と通勤の経路を伝え、夫の写真を数枚手渡し、2日分の調査費用の15万円を前金で支払った。</p>
<p>夫の今までの行動パターンからして、動きがありそうな日を選んで調査したため、1日目の調査で早くも結果が出た。動き出してしまえば、悩み抜いたのが嘘のようだった。あっけないほど事態が動いていく。佳美は探偵事務所からの報告を受けて離婚を決意した。</p>
<p>離婚を有利に進め、慰謝料を多く取るるためには、不貞行為が継続的なものであることを立証しなければならない。佳美は追加の調査依頼をし、へそくりの中からさらに24万円を支払った。数週間かけて動かぬ証拠に残す。同僚との不倫である。穏便に済ますつもりはない。</p>
<hr />
<p>初回の調査から2ヶ月ほど後、佳美と夫の双方の両親を交えた話し合いの場が設けられた。佳美は夫と不倫相手の両方への慰謝料請求、会社への報告と追求、そして即時の離婚を提示した。証拠もある。すべて佳美の思い通りに進むはずだった。</p>
<p>しかし事態は意外な展開を見せた。誰も離婚に賛成しなかったのだ。夫は涙を流して土下座。夫の両親は慰謝料を肩代わりするから離婚は避けて欲しいと懇願する有様だ。場は混乱を極めた。佳美の両親すら、世間体を気にして離婚に反対した。</p>
<p>離婚がこれほど難しいものだとは思わなかった。なんとかやり直してくれと言われても、わだかまりはそう簡単には消えない。次はない、と佳美は静かに宣言した。</p>
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		<title>子供に支えられて決断する妻</title>
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		<pubDate>Sat, 29 Dec 2007 08:49:30 +0000</pubDate>
		<dc:creator>nameless</dc:creator>
		
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		<description><![CDATA[渋谷、円山町。都内でも有数のラブホテル街である。調査の対象者は三十代後半の男性。20時10分頃に神南の勤務先を出て、道玄坂の飲食店で二十代前半と見られる女性と合流し、食事のあと円山町のホテルに入った。対象者の退社時刻を狙 &#8230; <a href="http://www.detectivefiction.net/3">続きを読む <span class="meta-nav">&#8594;</span></a>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>渋谷、円山町。都内でも有数のラブホテル街である。調査の対象者は三十代後半の男性。20時10分頃に神南の勤務先を出て、道玄坂の飲食店で二十代前半と見られる女性と合流し、食事のあと円山町のホテルに入った。対象者の退社時刻を狙った勤務先での張り込みをはじめてわずか2日目のことだ。</p>
<p>時刻は21時15分。これから二人が出てくるまで、この場所で張り込みを行う。路地の奥に位置しているにもかかわらず、幅広い年齢層のカップルたちが行き交っている。たむろしている若者たちも多い。</p>
<p>依頼者からの情報では、対象者は午前0時までには帰宅することがほとんどだという。このことから、対象者は職場近くのラブホテルを利用することが想定された。これを受けて今日の調査では、ラブホテル街での尾行や張り込みが不自然にならないように、調査のパートナーに女性調査員を選び、カップルに見えるように偽装している。</p>
<p>幸いなことにホテルの出入り口は正面の一つだけだった。二人で張り込んでいれば見逃すことはまずあり得ない。ホテルから対象者たちが出てくる瞬間を逃さずに、二人の姿をカメラに収め、その後は浮気相手を尾行する。浮気相手の所在を確認するためだ。</p>
<hr />
<p>この調査の依頼者は三十代半ばの女性だった。対象者の妻である。子供がまだ小さいために遠出はできないという話だったので、調査の契約は神奈川の郊外の依頼者宅でおこなった。今から一週間ほど前のことだ。その際、契約の詳細を詰めている最中に、息子は帰宅してきた。</p>
<p>来客に遠慮したのか、幼い息子はすぐに奥へと引っ込み、大人しくしていた。そして話し合いは続いた。依頼者の話では、夫の浮気は今回が初めてではないという。結婚前の交際期間を含めて、過去に何度か浮気が発覚したことがあるというのだ。しかし、離婚は考えていないという。</p>
<p>「最終的には許すつもりでいます。あの子がまだ小さいですから」</p>
<p>依頼者はそういうと、先ほど息子が消えていった奥の部屋を一瞥した。</p>
<p>「まだまだ守っていてあげないといけないんです」</p>
<p>今回の調査で証拠を押さえた不貞の証拠をもとに夫の両親も含めた話し合いをし、二度とこのようなことのないように強く言い含めるのが狙いだ、と依頼者は言った。</p>
<p>その時だった。奥の部屋へと続く扉が開き、男の子が顔を出した。母親に甘えるように空腹を訴えたあと、真剣な口調で言った。</p>
<p>「ねえ、困ったことがあるなら僕に相談しなきゃダメだよ、お母さん。僕がついてるんだから」</p>
<p>幼い男の子の視線は強いものへと変わり、探偵の目をまっすぐにを捉えていた。その顔は、他人がお母さんの悩み事に首を突っ込むな、とでも言いたげな表情だった。気丈な、そして思いやりのありそうな子供だった。幼いながらもしっかりしている、と探偵は思った。</p>
<hr />
<p>調査は成功した。先日の尾行と張り込みで、対象者の分刻みの行動の記録と、ホテルから出てくる対象者と浮気相手の顔を鮮明に捉えた写真、そして浮気相手の居住地と名前が判明した。後日の調査で、浮気相手の女性の勤務先や年齢なども明らかになった。</p>
<p>日中。依頼者の自宅。探偵の調査報告は静かに進んでいた。そして、その報告が二人がホテルに入った場面まで進んだところだった。依頼者は苦しげに呟いた。</p>
<p>「やっぱり、写真を見てしまうと、違うものですね」</p>
<p>その顔は、冷静を装うのが精一杯、といった雰囲気だった。依頼者は呼吸を振るわせながら唇を噛んでいた。夫の浮気はほとんど確実なことで、こうした報告を受けることは予想されていたことのはずだった。しかし依頼者は、予想通りの報告を受けているにもかかわらず動揺を隠せない。</p>
<p>「浮気相手は桜丘の印刷会社に勤める23歳、東横線沿線の高津の在住であることがわかりました。詳しい情報は報告書の通りです」</p>
<p>「こんな若い子だったんですね」</p>
<p>依頼者は悔しげに表情を歪めた。その視線は、受け取った報告書に釘付けになっている。報告書には、浮気相手が両親と共に暮らす一戸建て住宅の外観を撮影した写真も添付してある。世間並みよりはいくらか裕福そうな家庭像が浮かんでくるような写真だった。</p>
<p>依頼者はさらに報告書のページを繰った。楽しげに食事する対象者と浮気相手の写真や、歩きながら会話を弾ませる二人の写真などを見るたびに、それらの写真に視線をとめる。</p>
<p>やっぱり許せない、とうわずった声でつぶやいた依頼者の瞳には、うっすらと涙が浮かんでいた。契約時の気丈さはすっかり消えていた。そこにあったのは、気丈な母の姿ではなく、一人のか弱い女性の姿だった。</p>
<p>「おいおまえ、お母さんを泣かしたらゆるさないぞ」</p>
<p>ドアを破るほどの勢いで、男の子が入ってきた。探偵に強い視線を投げる。彼は探偵に視線をとどめたまま叫んだ。</p>
<p>「お母さん、悪者はこいつだね。僕が懲らしめてやる。お母さんは僕が守る」</p>
<p>「ちがうのよ、悪者はお父さんで、この人はお母さんを助けようとしてくれてるの」</p>
<p>母が言葉を返した。その声は静かだったが、深い悲しみが滲んでいた。男の子は、母の意外な言葉に途惑ったような素振りを見せた。そしてしばらくの間、探偵と依頼者の顔を順に見比べた。そして、長らく母の顔を見据えたあと、何かを決意したかのように言った。</p>
<p>「僕がお母さんを守る。たとえ悪者がお父さんだったとしても」</p>
<p>母の瞳から涙がこぼれた。あなたがお母さんを守ってくれるのね、と訊ねる。もちろんだよ、僕は男の子じゃないか、と幼い息子は力強く答えた。依頼者は探偵を振り返り、やっぱり主人とは別れることにします、と静かに言った。</p>
<p>「この子を守ってあげないと、とばかり思っていましたが、どうやら支えが必要なのは私のようです。今後は、この子が私の支えになってくれることでしょう」</p>
<p>いい息子さんですね、と探偵は言った。そして、配偶者の不貞行為を理由に離婚するのであれば、その不貞行為に継続性があることを証明するものがあるほうが有利であること、そのためには別の日時に改めて調査を行い、不貞行為の現場を押さえておく必要があることを説明した。簡単に言えば、次の調査の売り込みだ。また、提携している弁護士についても売り込んでおいた。</p>
<p>そして、彼女の頼もしい息子には、探偵の存在や母親の悩みについては口外しないこと、特に父親には決して話さず、父親の前では今まで通りに振る舞うこと、ということを約束してもらった。幼い子供には難しい約束のはずだったが、彼は力強く頷いた。</p>
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